2・組織を動かす
組織を動かすとは何を意味するのでしょうか?
人を動かす事との違いは何でしょうか?
私は、組織にいる一人一人が、目標達成の為に前工程と後工程の人の事を考えて全体最適で動く事
だと考えています。
「全社一丸となって目標達成に向かっている。」という抽象論ではなく、
組織の定量目標に対して、属する一人一人の行動目標が定量化されていて、
結果に対して検証・改善が組織的に行われている状態です。
1・最短で組織を変える方法は目標達成の為の仕組みを作り定着化させる事
私が事業再生コンサルタントとして重視していたのは、
「私が関与した期間だけ業績が良くなるのではなく、いなくなっても業績を上げ続ける仕組みの定着化」でした。
このため、仕組み作りの時点から社員に考えて作成する事を重視していました。
一方、事業再生の現場ではスピードが最重要です。
ゼロから仕組みを作るのではなく、既存の仕組みを検証し、改善する事でスピードアップを図りました。
ところで、組織変革の方法にはいくつか方法があります。
20:60:20の法則を聴いたことがあるだろうか?
上位20%の社員は、社長(上司)の言った事の背景を理解し、言っていないことまで推測、先回りした仕事が出来る。社長が手放したくないレベルの人間である。
このレベルの社員には「これから」実現したい事を共有し、一緒に考え実行する「仲間」として扱う事で彼らの仕事の成果は更にあがる。
中位60%レベルの社員は、
「言われたら、言われたことを最低限やる」レベルの社員である。
社員教育の充実により底上げは可能である。
良くも悪くも、自社のレベルはこの中位レベルである。
下位20%レベルの社員には2通りある。
能力はあるが会社に対する不満があるため実力を発揮していないタイプと本当に仕事が出来ないタイプである。
会社に不満がある人間に対しては、
社長が一度本音で向かい合う事で上位20%になるか退職するかに分かれる。
残念だが最後の本当に仕事が出来ないタイプは辞めさせても中位レベルから落ちこぼれてくるので撲滅は出来ない。
底上げを図らなくてはいけない業種の場合は、
朝礼や掃除などの躾レベルでの社内行事を行い教育していくほかない。
5S活動と簡単に言っているが実践している会社は少ない。
これはすぐに成果に直結させるためではなく、下位20%の人間にも社員としての帰属意識を持たせるためである。
人材は優秀な上位20%と標準の60%とダメな20%に分かれる。
「誰を対象にどのように動かすのか?」
を明確にして人を動かす。
上位20%に対しては精神論、大人として対応し「自社の考え方」を共有
下位20%に対しては精神論(躾)、子供とみなし「何をやるのか」を列挙して指導
もっとも効果的な方法は精神論ではなく「しごとのやり方」を教育として導入すること。
上位20%の人材はよりのびやかに仕事をし中間層が伸びてくる。