2・キーパーソンを発見し社内にお手本モデルを作り出す

組織の中においては60%の中間層が仕組みに則り成果を上げる事で全体の成果を上げるのだが、
全社員に同時進行で行う事は物理的に不可能である。
そこで、社内に影響力を及ぼすキーパーソンを発見し、その人物を社内のお手本とさせていく。
前述したエクスプレッシブ(秀吉)タイプの人材がいれば適任である。
前述の行動パターンの項目で紹介したエクスプレッシブタイプ(社交派)を如何に乗せるかが変革のカギとなる。
   彼らの特徴の一つである「場を盛りあげる」事が変革の先導者として最適である。
   彼らは「自分」が選ばれる事に喜びを感じる。
上司であるあなたは彼らに火をつけ、小さな成功体験を積ませていく事で、会社が変わっていることを他の社員に感覚的に伝える事が出来る。

ただし、気をつけなくてはいけないのは、彼らは「熱しやすく冷めやすい」性格でもある。
常に彼らの事を気にかけ、熱が冷めないように気を配らないと「熱が冷める」だけでなく、退職・転職・独立してしまう可能性がある。
また、梯子を外される事を恐れるのである程度の段階で着地点を見出して伝える必要もある。
   
   私は会社員時代にこの火付け役を買って出た。
   会社の人事制度を年功序列から成果主義へと変革するプロジェクトの時だった。
   現状の制度に難癖をつける癖に新しい制度にも賛成しない組合幹部や、現状制度を守りたい年上の守旧派、30代以下の若い世代の新制度への期待を受けて走り回った。
   結果として経営計画発表会の日に新制度のキックオフが出来たのだが、
   この時の「会社は変わる」の自信がコンサルタントへの道を歩ませる事のきっかけともなった。
  
  また、二代目(後継)社長が旗振り役となり率先垂範していくのも効果的である。
   ただし、新しもの好きな後継社長の場合は、会社を振り回す事につながる。
   既存事業で成果を出し、社員に信頼されたうえで行いたい。