20.同じ空気を吸う

私たちはお客様の会社(=現場)を訪問する機会が多い。
その移動手段はお客様と同様の移動手段を使うようにしている。
お客様の会社の社長も社員も皆が電車とバスで通勤しているのであれば、当方も同じ方法で訪問する。
地域性を肌感覚で掴むには同じ空気を吸う事は必須である。
電車・バスの混雑具合や乗客の層などは同じ時間帯を使わないと掴めない。
こちらの都合の良い時間に都合良い交通手段で訪問していても何も見えないし、社員にとっての距離感は一向に縮まらず「余所者」のままである。
忙しいからと言ってタクシーばかり使うようになると何のための訪問なのか分からなくなってしまう。
どんなに忙しくても同じ空気を吸うようにしたい。

話題は変わるが、政治家(特に大臣クラス)が地方の中小企業に視察に行くのは建前上は各企業の現状(窮状)の現場を直接目撃するためである。
しかし、何カ月も前からお触れが出て、歓迎の準備をして5~10分位駆け足で現場を見学するだけである。
彼らは政治家だから「行った事」が実績となるので形ばかりの見学をするのである。
私たちは政治家ではない。
行った事ではなく「やった事」のみが実績となる。
であれば、
徹底的に現場に入り込むことの重要性は自明である。