22.みだしなみ

「洋服が人間をつくる。裸の人間は社会にほとんど、あるいはまったく影響力をもたない。」
トムソーやの冒険、などを書いたマーク・トウェインの残した名言である。
いきなり高級スーツに身を包むことをお薦めするわけではない。
人と接する時に「それ、相応のみなり」をしているのか?
を自問自答して欲しい。
私はお客様からは「先生」と呼ばれる仕事を行っている。
その「先生」がだらしない格好をしていては示しがつかない。
きちんとしているか否かの最初の判断基準は「見た目」に表れる。

スーツ、ワイシャツの汚れやヨレ、ネクタイの緩み、汚れた靴の人をあなたは信頼できるだろうか?
数年前、「カバンはハンカチの上のおきなさい」と言う本が売れた。
内容は、売れっ子生命保険の営業マンの小さな心がけについて書かれている本である。特に、生命保険の営業マンが持ち歩いているカバンは時として屋外の地面に直接置く場合もある。そのかばんをお客様のご自宅で床やイスの上に置く際にハンカチを引いてその上に置くことでカバンの汚れでお客様のご自宅、家具を汚さない。という彼が実践している実話が中心になっている。私たちはお客様宅を訪問する事は稀であるが、そこまでのことを常日頃から意識したいものである。
最近は夏場の地球環境保護の視点から冷房を弱めて軽装で執務するクールビズを導入している企業が多くある。こちらが涼しければどのような格好をしても良いという事ではない。
お客様に不快感を与えず、執務出来る服装でありたいものである。

また、身だしなみと言うと勘違いする人がいる。
それは、「したい格好」をすることと「らしい格好」をする事は違うという事だ。
私は20代の頃から今まで髪型はほとんど変えていない。
7:3分けのオールバックに近い髪型だ。
若い頃には多少は違う髪型にしたこともあるが、
私が尊敬する仕事が出来る人を真似たらこのような髪形と格好になった。
最近は、カジュアル志向のようだが、私たちのようなコンサルタントという仕事は世の中から「先生」と呼ばれる仕事である。
自分がしたい格好をするのではなく、先生らしい格好をするのは当然だ。

当社のお客様でレーザー加工機のアフターサービス業の有限会社ランテクノロジーの都筑社長は技術者らしい格好を大切にしたいと言っているが、最初にお客様を訪問する時には必ずスーツで訪問している。何度か訪問した後にお客様に「作業服」で来社して良いかを確認しているとの事。都筑社長のポリシーとして「現場に入り込み現場を知らない事には良い仕事が出来ない。だから作業服で思う存分現場に入る。」である。しかし、社長としての「らしい」格好も必要だから最初のうちはスーツで訪問している。
したい格好ではなく、らしい格好を徹底している。