あなたの部下は今月の目標を言えますか?
目標を達成出来ない3つの理由。
1. 目標が共有されていない。(目標を知らない)
私が企業のコンサルティングに入る時に最初にする質問がある。
それは、朝礼など全員が集まる場所で「あなたの今月の目標は何ですか?」
と一人一人にする質問である。
朝礼時に前方にいる社員は経営への参画意識が高い社員が多いので
すらすらと答えられるが、隠れるように列の後ろの方にいる社員は大体答えられない。(余談であるが、前方から見るとはっきりとどの社員が答えられそうなのかが分かる。また、答えられない社員が多い会社では総じて目標達成できていない。)
朝礼終了後に答えられなかった社員と1対1で話を聴く場面があるのだが、
彼らは
「目標と言っても上司から押し付けられた数字だし、暗記できませんよ。」
「パソコンの中に入っています。」と答える。
私が問題としているのは、彼らが目標の金額を暗記していないことではなく、
目標を達成する事が仕事だと認識していない事である。
貴社の社員は自分の目標が何かをすぐに答えることが出来るだろうか?
2. 今やるべきことをやっていない。
組織では「人材は優秀な20%と普通の60%と出来の悪い20%に分かれる。」という法則がある。
上位20%と下位20%に効果的な方法は「精神論や仕事のあり方」について共有していくことである。
具体的には、上位20%に対してはミッション(会社使命)の共有、クレドの共有により自律的な行動を促進する。
下位20%に対しては、しつけや行動規範を列挙し、最低限のルールを順守させる。
しかし、これらの方法は正しいが時間がかかる方法である。
殆どの会社ではそれ以前にやるべきことがある。
それは、目標達成の仕組みを作り、仕組みに則って人を動かすことである。
自社にとって現在取るべき方法はどちらであろうか?
事業再生のコンサルティングでは短期間で金融機関などのステークホルダーへ説明できる明確な成果を示す必要があったためマネジメントの仕組みを改善、再構築して成果を出すしか選択肢は無かった。
外部からの圧力が無い多くの中小企業の場合は
仕組みが多少機能していなくても「何となく」経営できているものである。
そして、幹部からは
「社員の当事者意識が希薄だ。」とか「危機意識を持っていない。」などの発言が出る。
私は「意識を変えるには行動を変えるのが一番の近道だ。」と常々お答えしている。
まずは、「目標達成の仕組みを整え、仕組みに則って人を動かすこと」から始めてはいかがだろうか?
3. 正しい方法でやっていない。
目標を達成するには「PDCAサイクルを正しく回す事が大切である。」
と頭で分かっていても実際にはやっていないし出来ていない。
あなたは正しくPDCAサイクルをまわしていますか?
突っ込まれるとたじろぐ方が多いのは無理もない。
それは誰も正しい「PDCAサイクルを回す方法」を教わっていないためで
ある。ご安心頂きたい。本稿ではPDCAサイクルを正しく回す方法につい
てお伝えする。
しかし、まず最初に、自社の目標達成の仕組みが機能しているのかを検証す
ることから始めることにする。
番外編として、目標の設定が抽象的、不明確な場合がある。
目標を明確にするSMARTの法則を徹底したい。
S:Specific (具体的である)
M:Measurable (測定可能である)
A:Ageed upon (本人が同意している、意欲がある)
R:Realistic (現実的である)
T:Timely (期限が明確である)
の頭文字をとったものだが、
自社の目標が具体的明確であるかを確認する際に是非活用して欲しい。