3・省略・一般化・歪曲の罠

私たちは言葉によるコミュニケーションを行う時に無意識で 「省略」「歪曲」「一般化」を行っています。 このため、言った事が相手に伝わらないという問題が発生します。 特に、会社など同じ環境の「空気」を共有している場であれば、 伝えた側は部下に「分かるだろう」と強要してしまいがちです。
1.省略とは、体験の特定の側面に選択的に注意を向け、他の側面を除外する事です。
例えば、「うまくいってません。」「私は怖いです。」「すみません。失敗しました。」
の例では、基準、レベル、誰にとって、何が、など具体的な事が省略されています。
2.一般化とは、その経験が一例であるにも関わらず経験全体を表すようになる事です。
例えば、
「一度もうまくいった事が無い。」
「男(女)なんて...」
「みんな、そう言っている。」
本当に一度もうまくいった事が無いんですか?
全ての男(女)性があてはまるのですか?
みんなとは、本当に全員ですか?
子供たちが親に物をねだるとき見受けられる光景ですが、
大人になっても一般化している人は少なくありません。
3.歪曲とは事実ではなく主観に基づいた意味づけや決めつけです。
「あなたはいい加減な仕事しかしないね。だらしないね。」
など、人による基準が違う「いい加減」を強調して歪曲している。
日常会話では省略も一般化も歪曲も当たり前に行われており、
「省略・一般化・歪曲」を完全に取り入れたり、排除する事は出来ません。
まずは、 中学生にも分かるように5W2H(いつ、どこで、誰が、何を、どこで、なぜ、どのように、どれだけ)を明確に伝えましょう。特に、「なぜ」なのかを相手に伝わるように説明します。

一方、聞き手として、相手の発した言葉が理解出来ない時には
「具体的にはどういう事ですか?」
「何がそうさせないのですか?」
「全てですか?」「絶対にですか?」と質問する事で5w2hを明確にし合いましょう。