7・「まさか!」は人を選ばず突然降りかかる
あなたの会社では、外部環境の突然の変化で売上が激減、ゼロになった事はありますか?
本書では、売上が半分になっても耐えられるように経営しなさい。と書いていますが、 実は、私は「まさか」で1年半の間、売上がゼロになりました。 会社員から独立した直後は、前職の近江兄弟社から外部パートナーとして報酬を頂いていました。事業再生コンサルティング会社を経営していた頃は、金融機関やファンドなどからお客様を紹介頂いていました。ずっとそこそこの業績でした。
しかし、「金融円滑化法」という中小企業救済のための法律の施行が当社にとっての「まさか」になりました。その法律を一言で言えば、これまで事業再生の対象となっていた全ての企業が利子の支払いだけしていれば元本の返済が一定期間猶予される法律です。金融機関には「事業再生」の対象となる案件が無くなるという非常事態でした。各銀行の本部の融資部、審査部の人員も各支店に戻りました。当社の見込み客が世の中から無くなりました。法律施行から1年半以上にわたり新規の事業再生案件が無くなりました。また、悪い事にその前年は売上が非常に良かったため、それまで借りていた新宿2丁目のレンタルオフィスから原宿駅前の一等地に事務所を移していた時期でした。売り上げが無いのに高い家賃の負担だけ増える状況でした。結局、当時の共同代表は元職の外資系コンサルティング会社の伝手を頼って転職しました。私は、「地元密着」「中小企業支援」に方向転換しました。私は、江戸川区の自宅周辺の東京東部地区地域密着に舵を切りました。東京の下町の自宅兼事務所を拠点に移しました。ポスティングや飛び込み営業からセミナーへ集客しコンサルティング契約へと繋げるビジネスモデルを確立しました。「まさか」は突然、誰にでも降りかかります。まさかに遭った時にも諦めず地道に一つ一つやり切る事で必ずや道は開ける事を実感しました。現在では、日本一諦めの悪いコンサルタントと称されるようになりました。