おはようございます。
内海です。 http://sskg.jp
【日刊】伸びる会社は仕組みが9割  2016年2月19日号

・計画作りは2つに分けて考える

計画作りは「成行予測値と改善目標」の2つに分けて考える
日本全体が右肩上がりの高度経済成長時には
今までのやり方でやっていても年に数パーセントの伸びは見込めていました。
しかし、業界自体が「横ばい」「減少」の現在の環境下では
前年と同じことを同じやり方でやっていては目標達成はおろか、前年並みを維持することすら出来ません。
今までのやり方で達成できる数値を予測することが計画作りの最初の一歩です。
その際に「悲観的、冷徹」な予測値を算出することが肝要です。
「もし、売り上げが今までの半分になっても社員を路頭に迷わせないようにするのが社長の仕事だ。」
と私の師匠で超・会社力著者の長谷川和廣先生は仰ってました。
「アベノミクスだ、消費税増税だ。」と気分に振り回されず、客観的に成行値を予測します。
目標をなかなか達成できないで困っている企業の場合は、成行と改善の境目がごちゃごちゃになっています。
その結果、いつも結果に期待し期待を裏切られています。
あなた任せの計画ではなく、主体的に目標を達成するための計画を作りましょう。

悲観的冷徹に成行値を算出する
1.過去数年間の傾向より算出する
過去3年間程度の業界、自社の傾向を対比します。
出来ればZグラフを作成して過去3年間程度の前年同月を対比出来るとより良いだろう。
しかし、データ作成に時間を費やすことはムダであるので、
すぐに集められる業界情報や自社の過去データで傾向値をつかめれば十分です。

2.予測できる外部環境の変化から推測する
PEST(politics政治、economics経済、social社会、technology技術)に代表
されるマクロ環境の変化。
政治では政権交代、あるいは長期政権化など。
経済では円高(円安)、市場など。
社会環境では少子高齢化、出生率、離婚率などの自社に与える影響。
技術変化では、DPE印刷からデジタル出力へなど自社を取り巻く事業環境に対する技術変化の影響。
例えば富士フィルムではカメラ用フィルムの売り上げ激減を見越して、新事業の確立に急ピッチで取り組
んだ。現在の化粧品事業である。

3.経営者の経験値
数十年経営してきた経営者であれば肌感覚である程度信頼出来る数値を算出します。
セミナーなどでは、何のデータも無くその場で記入してもらうのですが、
その後会社に戻って詳細なデータを確認すると経営者の経験値は概ね外していないようです。
成行予測の算出は「冷徹」「悲観的」がキーワード
私は、講演などの場で参加者に成行予測の数値を算出してもらいます。
概ね80~90%の所に線を引く受講者が多いです。
1会場に1人位成行予測の数値が目標を越えている方がいます。
この場合、私は目標設定を再度情報修正してもらいます。
何もしないで目標を越えるのは、
一見順調そうに見えますが、ただ目標設定が甘いだけです。
業界全体が伸びている時期に更なる成長をしなくては生き残れなくなるリスクがあります。
その会社が伸びているのは、同業他社も伸びている可能性があります。
このまま永遠に市場が伸び続ける事は見込めません。
何となく伸びている時期だからこそ、
人材採用や仕組み作りをやらなくては市場の伸びが止まった時に自社の優位性が確保できなくなります。

私は、経営者が出した数値の80~90%を成行予測に設定するようにしています。
これは事業再生コンサルティングを行ってきた際に「まさか」が起こらないためにも
固い数字=ここまで売り上げが落ちても成り立つ数字で予測するためでした。
外部のコンサルタントの支援を必要とする再生案件の場合は目標達成できない経営者の心の中には
「期待と甘え」があります。
外部の視点でそれらの「期待と甘え」を取り払うためにもさらに厳しく予測しました。
経営には「まさか」がつきものです。
短期的な視点と長期的な視点を併せ持つことが重要です。
ところで、上記の実習を行った経営者から
「今まで目を背けていた現実に直面させられた」
「厳しい現状に対して覚悟を迫られた」との感想を頂きます。
何となく、ぼんやりと「目標達成」の掛け声をかけるのではなく、
定量化した現実を直視するためにもまた、「まさか」の事態に備えるためにも、
「悲観的・冷徹」に成行予測値を算出して欲しいものです。

編集後記
長文になりました。
画像イメージが無いと伝わりにくいな~。
早めに小冊子を作ってお配りします。

挑戦を忘れない!
仕組み化プログラム(外販・講師用)進捗度80%完了
仕組み化プログラム(自社用)完成
→雑誌への寄稿企画へ展開 進捗度70%
→諸々集約して「当たり前だけどなかなか出来ないPDCAサイクルの作り方、回し方」へ
江戸川経営塾テキスト 進捗度30%